プロジェクト・ポートフォリオマネジメントが今後さらに重要に
――IFTプラニスウェアCEOオープニングメッセージ
世界中で組織が大小を問わずプロジェクトマネジメントの考え方を導入しつつあります。デジタル化、消費者のニーズ、高齢化や地政学上のリスク、パンデミック等、様々な事象の急速な変化に対応するため、組織内部の活動を可視化していく必要が高まっています。こうした変化に適応してグローバルに事業を展開する組織は複雑化していきます。常に最新のデータにもとづいて意志決定をするには、コスト、スケジュール、リソース、リスク、ポートフォリオのデータを一か所に集約すること(single source of truth)が最も効果的な戦略となります。Planiswareはこうした変化に対応する機能を常に拡張し、進化させ続けています。
Planiswareをどう使うか ――参加企業の自己紹介から
参加企業の自己紹介タイムでは、Planiswareを導入済みの企業様、導入を検討中の企業様が、どのようにPlaniswareを使っているか、使うことを検討中か、ご紹介いただきました。導入済みの企業様からは、導入の経緯や活用分野、どの程度活用できているかについてお話しいただきました。プロジェクトの進捗管理やシナリオ分析に用いられているケースが多く、今後は意志決定の支援と事業拡大の支援へさらに展開していきたいという声が多く聞かれました。
製造業での導入事例
製造業からご参加いただいた企業様からは、自社開発の既存システムと紙ベースの環境からPlaniswareへ移行した事例をご紹介いただきました。この企業様ではPlaniswareに情報を集約し、優先度ロジックを用いた調整の半自動化を実現することで、設計者の業務時間の大幅な短縮に成功しました。さらにプロジェクトの遅延が一目で判断でき、タスク分散がやりやすくなったこと、リスクの検知ができるようになったことや、社内でマスタースケジュールとして共有することにより、部署間の問い合わせ工数の削減に役立ったことなどを Planisware導入後のベネフィットとして挙げられていました。
こちらの企業様ではPlanisware導入時に自社内でユーザーのフォローやプロモーションを積極的に行い、理解・納得を深め、プロセス変更に伴う負担感の低減を目指し、現場の困りごとを解決しながら進められていました。今後は多くの部門でPlaniswareによる管理を実践し、Planiswareを通じて全社レベルの協働を目指されています。
製薬業界のR&Dでの導入事例
製薬業界での導入事例をご紹介いただいた企業様では、複数の業務部門にまたがって実際のプロジェクト情報をタイムリーに共有する難しさを感じられていました。こうした背景から、全社レベルでのプロジェクト管理やプランニング、タスク管理を行えるよう、全社で一つのプロジェクトポートフォリオマネジメント(PPM)システムを導入すべきと考え、Planisware導入のプロジェクトチームを立ち上げられました。
この企業様ではプロジェクト遂行にあたって各部門で抱えている課題を吸い上げ、導入前から各部門との相互理解を深めながら、PPMを運用していくうえでの懸念事項のヒアリングをされていました。こうした入念な準備にもとづいて、導入後に起こり得る事象を想定し、不安解消に向けて対応し、システムを安定運用するための地盤を構築されていました。こうした努力により、PPMを受け入れる土壌を組織内で作り上げ、円滑な導入を実現されました。
世界のベストプラクティス・ホットトピックを紹介
今回のユーザーサミットでは日本国外の事例もまじえてリソースマネジメント、プロジェクトマネジメト、ポートフォリオマネジメントのベストプラクティスとホットトピックをご紹介しました。
リソースマネジメントについては、オーバーキャパシティの解消のためにボトルネック分析を使って、タイムリーに問題を解消している事例をご紹介しました。プロジェクトマネジメントのベストプラクティスとしては、スケジュールテンプレートを使い、先行タスク、後続タスクで繋いだスケジュール管理をすることで、動的なプロジェクトマネジメントができるようになることをお示ししました。
ポートフォリオマネジメントに関するベストプラクティスについては、組織が力を入れるべきプロジェクトを考慮して優先順位を設定し、Planisware内で管理することにより、スケジュール、リソース、コストすべてが連動した形でポートフォリオ全体を最適化できることをご紹介しました。
Planiswareについてお客様からのご要望を伺う場として、日本国外ではカスタマーアドバイザリーボードがあります。Planiswareに関するユーザー企業様からご要望を、カスタマーアドバイザリーボードで集約、提言いただくことで、ユーザー企業様の声を反映したベストプラクティスをPlaniswareへ実装し続けています。
つながり、ともに学ぶ――カスタマーセッション
Planiswareの導入企業様どうしがつながり、互いの事例から学ぶ場として、事前にお客様主導で複数のセッションを開催し、ユーザーサミットの当日は、成果発表をしていただきました。このカスタマーセッションは、Planiswareの導入・運用に関する課題、チェンジマネジメントに向けた取り組みの失敗例等、さまざまな実例にもとづいた活発な議論が展開されました。
Planiswareの活用で課題になる点として、更新頻度を統一する難しさや、ユーザーの習熟度により入力間違いなどのヒューマンエラーが生じることが挙げられました。さらにユーザーがPlaniswareを使っていて不便だと感じている点を導入企業様からIFTプラニスウェアへ率直にお伝えいただき、活発な意見交換がありました。
リソースマネジメントに関するセッションでは、リソースマネジメントの導入背景や導入時に難しかった点が指摘されていました。リソースマネジメントは最終的に経営陣の意志決定や人員配置につなげることを目指して、予実分析を行うためにタイムライン・コスト・工数予測を用いているケースが多くありました。リソースマネジメントを行うには、エンドユーザーにデータを入力してもらう必要があるため、ヒューマンエラーが生じやすい点が課題として挙げられました。リソースマネジメントの導入目的を達成するには、最終的な実現イメージを導入時に社内に共有し、実現するための要件を明確にし、それをシステムに実装することが重要だという指摘もありました。
カスタマーセッションでは時間が足りなくなるほど多くの事例や意見等が紹介され、会場全体を巻き込んだディスカッションが行われました。
第3回ユーザーサミットを振り返って――今後の展望
第1回のユーザーサミットはPlaniswareに関する情報提供を目的に行われ、コロナ禍を経た2回目はIFTプラニスウェアがファシリテーターとなって事前ワークショップからユーザーサミットまでリードする形式へ進化しました。第3回となる今回のユーザーサミットでは、導入企業様自身がファシリテーターとなり、ユーザー様主導で事前ワークショップが行われました。IFTプラニスウェアは、日本のプロジェクトポートフォリオマネジメントのコミュニティを導入企業様自身が構築されることを目指しています。お客様が主体となってPlaniswareのユーザーコミュニティを確立することで、ユーザー同士の交流が生まれ、相乗効果をもって発展していくことが可能になると考えています。IFTプラニスウェアは常にお客様とともにあり、さらなる事業拡大、改善のための努力を今後も続けていきます。
ユーザーサミットレポートのダウンロード
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レポートには、当日の投影資料や写真等の掲載もあります。