Zebra Technologiesは病院、倉庫、小売店などにおけるワークフローのデジタル化と自動化で広く知られており、そのビジネスはスピードと精度、そして高い柔軟性をもった従業員によって支えられています。同社では毎月約300名の外部委託者を管理しており、入れ替わりが発生すると、採用・計画・納品を担うチームに大きな負担がかかっていました。
課題は単なる人員数ではありませんでした。委託者に関する情報の更新は手作業で行われ、システム同士は連携しておらず、本来数時間で完了すべき承認プロセスに数日かかることもしばしば。スピードと精度を重視するビジネスにとって、こうした遅延は見過ごせないものでした。
そこでZebraはワークフローを再構築しました。その中心に据えたのがPlaniswareです。今では、更新作業は自動的に行われ、承認も数日ではなく数時間で完了します。そしてエンジニアたちは、プロジェクトを前進させる本来の業務に集中できるようになりました。
その成果として、手作業の工数は33%削減され、データの整合性は向上し、意思決定のスピードも加速しました。非効率なプロセスを改善するために始まったこの取り組みは、いまやより迅速な実行と賢い成長を支える足がかりとなっています。
リソースマネジメントの転換点
Zebra Technologiesのエンジニアリング部門シニアマネージャーであるシム・チョウドリー氏にとって、スピードへのプレッシャーは日増しに高まっていました。彼のチームは、計画から人員配置、実行に至るまで、エンジニアリング活動を円滑に進めるためのプラットフォームを支える役割を担っています。しかし、委託者への管理業務が時間と集中力、そして勢いを奪い、業務全体の進行を鈍らせていました。
毎月のように委託者の入れ替わりが発生し、そのたびにアサインメントの終了、リソース割当の解除、新たな要求の発生といった一連の更新作業が発生します。新たな委託者が加わるたびに、オンボーディングや承認のプロセスが繰り返されていました。しかも、それらはすべて手作業で行われていたのです。
プロセスは非常に遅く、人事、財務、エンジニアリングの各部門がそれぞれの役割を担っていましたが、使っているスプレッドシートやメールのやり取りはバラバラでした。データは何度も確認され、手作業で修正されることも多く、遅延やミスは日常的に発生していました。
「専任のチームが、つながっていないシステム間のデータを何日もかけて照合していました」とシム氏は語ります。「人事側で退職処理された人が、他のシステムではまだ『在籍中』と表示されるようなことがありました。これが、承認プロセス、採用活動、プログラムとの整合性など、あらゆるものを遅らせていたのです。」
ZebraがよりアジャイルでSAFeに準拠したデリバリーモデルへと移行していく中で、こうした可視性の欠如は、チームが変化に追いつく上で大きな障壁となっていました。
解決策:Planiswareによるワークフローの自動化
この課題を解決するため、シム氏と彼のチームはPlaniswareを中心に据えた自動化プロジェクトを主導しました。目標は、手作業を削減し、信頼できる唯一の情報源を確立し、エンジニアリングチームが本来の業務に集中できるようにすることでした。
最初のステップは、PlaniswareとZebraの人材管理システム(HCM)を接続することでした。これにより、退職処理や氏名変更、その他のリソース変更がリアルタイムで更新されるようになり、引き継ぎやExcelファイルのやり取りは不要になりました。次に、委託者に関するワークフローに自動化を追加しました。現在では、委託者が離任すると、Planiswareが自動的に無効化処理を行い、新たな需要を作成し、予測も更新します——すべてが自動で行われます。
「以前は1週間かかっていた上に、複数のチームが関与していた作業が、今では数クリックで完了します」とシム氏は語ります。「データの正確性は向上し、手作業は激減しました。そして、私たちのエンジニアリングチームは、スプレッドシートの修正ではなく、戦略的な業務に集中できるようになりました。」

明確な成果と、次のステージへの強固な土台
その効果はすぐに、そして定量的に現れました:
- 委託者情報のデータ精度が70%から100%に向上
- リソース管理にかかる手作業が33%削減
- 承認ワークフローが1週間から数時間に短縮
- エンジニアは管理業務に費やす時間が減り、価値創出に集中
「これは大きな成果です」とシム氏は語ります。「いまや、私たちは見ている情報を信頼できます。人を追い回す必要もなくなりました。実行に集中できるのです。」
しかし、より大きな意義は、これが今後の可能性を切り拓く基盤になったことです。現在、PlaniswareはZebraの広範なエコシステムと接続されており、シム氏のチームは次のステップ(Fieldglassのようなツールとの連携強化や、AI・アナリティクスの活用、など)に目を向けています。
「これが私たちのデータの基盤です」とシム氏は言います。「AIの時代は必ず来ますし、私たちはその準備ができています。単に自動化するだけでなく、インサイトを得て、より良い意思決定を行い、ポートフォリオレベルの戦略につなげたい。そのすべては、良質なデータから始まるのです。」
課題の克服:技術的な障壁から文化的な定着まで
もちろん、これらの変化が一夜にして実現したわけではありません。あらゆるトランスフォーメーションと同様に、Zebraも一定の抵抗に直面しました。最大の変化はツールそのものではなく、「マインドセット」でした。
「人々は何年も同じやり方で業務をこなしてきました」とシム氏は語ります。「スプレッドシート、独自の回避策、属人的な知識があちこちにありました。難しかったのは、単に新しいテクノロジーの使い方を教えることではなく、“なぜ”これをやるのかを理解してもらうことでした。」
Zebraの成功の要因として、シム氏は社内の強い連携、明確な価値訴求、そしてプラニスウェアの継続的なサポートを挙げています。「まずはビジネスとして成立することを証明しなければなりませんでした」と彼は言います。「そして、経営層がそのデータを見たとき、自然と支援の輪が広がっていったのです。」
これからの展望:リソース管理から戦略的ポートフォリオマネジメントへ
Zebraの旅はまだ終わっていません。むしろ進化を続けています。Planiswareがエンジニアリング業務の中核に組み込まれたことで、注力の対象はリソースの管理から戦略の管理へと移行しつつあります。
すでに土台は整いました。チームはより質の高いデータをもとに業務を進め、意思決定もスピードアップしています。そして今、企業全体として戦略的ポートフォリオマネジメントの本格的な導入へと向かっています。
「私たちは“人員を管理する”ことから、“成果を管理する”ことへシフトしました」とシム氏は語ります。「人材、プログラム、優先順位が整えば、自ずとより良い意思決定が可能になるのです。」
壊れたプロセスを整理することから始まったこの取り組みは、いまやZebraの計画・実行・成長のあり方そのものを変えつつあります。次のフェーズは、よりスマートな計画、より強固な実行、そして変化に適応できるシステムの実現です。