スピードが求められる臨床試験では、医薬品開発パイプラインにおけるCMC業務(Chemistry, Manufacturing, and Controls)の管理は大きな課題となっています。治験薬の原薬および製剤製造、治験薬キット組立、包装、品質確認・出荷判定、輸送、施設搬入に至るまで、あらゆる段階で綿密な計画、リアルタイムの可視性、先を見越した意思決定が求められます。遅延や予期せぬ患者登録の変動、生産上の制約が発生すれば、臨床試験のスケジュールや登録患者の治療の提供に大きな影響を与える可能性があります。
AIを搭載した統合プラットフォームであるPlanisware Enterpriseは、製薬会社におけるCMCの治験薬サプライチェーンマネジメントに変革をもたらしています。散在するスプレッドシート、手動によるレポート作成、バラバラのシステムに代わって、Planiswareを活用してすべてのサプライチェーンデータを一元化することで、戦略立案から搬入に至るまでの全行程を可視化し、的確なコントロールを実現します。
【動画】Planisware Enterprise: CMCのための治験薬サプライチェーンマネジメントを最適化
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Planisware Enterpriseによる治験薬サプライチェーンのリアルタイム可視化
治験薬サプライチェーンのすべての段階で、状況をリアルタイムに一目で把握できるとしたら如何でしょうか。Planisware Enterpriseは、まさにそれを可能にします。直感的なダッシュボードの活用を通して、以下を実現できます。
- リスクを管理し予め手を打つ: 進行中のすべてのリスクや課題を体系的に示し、サプライチェーンの重大リスクをリアルタイムに可視化して把握できます。ボトルネックを予測し、臨床試験スケジュールに影響が出る前に遅延を未然に防ぎます。たとえば、特定のサイトで原薬の生産不足が発生した場合、下流工程に影響が及ぶ前に、手を打つことができます。

【画像】Planisware Enterpriseダッシュボード: CMCの治験薬サプライチェーンをリアルタイムにマネジメント
- 各段階で数量を追跡: 原薬、製剤、組立、包装の各ステージごとの数量を即座に確認できます。これにより、国別や主要なサプライチェーンの段階別に各臨床プロジェクトの詳細を把握できます。
- 納期遵守率の監視: 納期遵守率(On-Time Delivery, OTD)指標により、出荷状況を見える化し、発注状況をリアルタイムで監視できます。たとえば、原材料の発注が遅れた場合、即座にフラグが立てられ、製造、搬入そして治験薬投与スケジュールへの潜在的な影響を評価できます。
- アラートの即時通知: 原薬の数量変更や特定部門のキャパシティ不足など、重要な変更を自動で通知します。遅延や不足により、臨床試験に影響が及ぶ前に対応することができます。
- 発注状況の監視: すべての発注を一目で体系的に把握できるようにすることで、進捗状況をリアルタイムに監視できます。これによりサプライヤーとの連携が向上し、納期遅れを早期に検知できることでサプライチェーンの混乱リスクを軽減できます。

【画像】:Planisware Enterpriseカレンダー: CMCの発注をリアルタイムにマネジメント
治験薬サプライチェーンを支える、先を見越した計画立案と自動予測
Planiswareは、リアルタイムの数量追跡にとどまらず、高度な予測およびシミュレーション機能により、プロアクティブな意思決定を支援します。
- さまざまなシナリオをモデル化: 患者の登録予測、製造上の制約、潜在的な遅延を加味して、さまざまなサプライチェーンシナリオをモデル化します。たとえば、第3相臨床試験の患者登録が予想外に増加した場合に、原薬と製剤の予測を迅速に調整し、遅滞なく需要に対応できます。
- 計画と実績の乖離を特定:製造の計画と実績を比較することで早期に逸脱を浮き彫りにすることで、供給の問題が深刻化する前に予測し、データに基づいて調整できるようにします。このような体系的な可視化によって、予測の精度が高まり、製造計画との連携が向上します。
- 過去データを活用: 複数年にわたる数量推移を分析し、潜在的な供給ギャップや過剰製造を予測します。過去の実績に基づいて予測精度を改良して、今後の臨床試験のための製造予測の調整に役立てます。
治験薬サプライチェーンにおけるレポート作成の自動化と効率化
Planisware Enterpriseの最も大きな利点の1つに、膨大な時間を要していた手作業のプロセスを排除できることがあります。
- データ統合の自動化: MESS、Alteryx、Excelレポート、手動予測、Jiraなどの既存システムとシームレスに連携し、サプライチェーンデータを一元化および標準化します。データインテグリティが確保され、報告業務が効率化されます。
- ERPとの連携: Planisware Enterpriseは、既存のERPシステムを補完する設計となっています。ERPソリューションは、財務、調達、在庫などの取引プロセスの処理には不可欠ですが、治験薬サプライチェーン特有の課題には対応できません。Planiswareがこのギャップを埋め、ERPとシームレスに連携して重要なデータを取り込みながら、CMC業務に合わせた高度な予測、シナリオのモデル化、リアルタイムの可視性を追加を提供します。

- リアルタイムな洞察: アラート、傾向、洞察が一目でわかる自動更新のダッシュボードによって、より迅速で正確なレポート作成とより的確な意思決定が可能になります。データの統合に何時間も費やす必要はありません。
- 完全なトレーサビリティ: 原薬製造から包装に至るまで、サプライチェーンプロセスの全ステップをプラットフォーム内で完全に追跡できます。数量変更、サプライヤー更新情報、納品予定を履歴として完全に保存します。
「世界各地の拠点、グローバル展開、アライアンスの管理、そして多彩な製品群。これらのマネジメントは、プログラム・マネジメント手法の刷新とPlanisware Enterpriseがなければ実現不可能でした。いま私たちは、従来であれば実現できなかったことに挑み、成功を収めています。」 ゲデオン・リヒター社クリストフ・バグディ氏